お知らせ
2019/06/04

考えさせられました

6月2日にNHKで放送された「彼女は安楽死を選んだ」という番組を観ました。

 

体の機能が失われる神経難病を患った女性が、安楽死が容認され海外からも希望者を受け入れているスイスで安楽死を行う番組でした。

 

そこに至るまでの御本人の苦悩、家族の葛藤が見て取れる非常に優れたドキュメンタリーでした。

 

スイスにおいても安楽死が簡単に認められているわけではありません。

 

経済的に継続的治療が困難である、完治が見込めない、本人の意志が確認できる、等々の様々な条件をクリアした上で安楽死を実行できるようです。

 

薬物の混ぜられた点滴を自らの手で投与開始し、最後を迎えることになります。

 

「やがて胃ろうと人工呼吸器が必要になる」と医師から告げられた彼女は、「人生の終わりは、意思を伝えられるうちに自らの意思で決めたい」と、安楽死を選んだのです。

 

以前私は、「子供の臓器移植を海外で行う場合、保険適用できるようにならないだろうか」と述べたことがあります。

 

臓器移植は日本国内でもできます。ただドナー数が圧倒的に少ないために海外で行わざるを得ない状況にあるのです。

 

海外で行わざるを得ない心細さを慮るとせめて何かしらの手助けをとの思いから「せめて保険適用」と思ったのです。

 

今回の「安楽死」に関して、日本国内で行われるようにすべきかどうか。自らに問いかけた時、揺れ動く気持ちが今回の番組で出てきました。

 

私のように外国にほとんど馴染みのない人間からすれば、外国に行くこと自体が非日常。

 

非日常が故、「安楽死」という普段の生活からかけ離れた行為をまるでオブラートに包むような、モヤをかけるように、その行為自体を受け入れやすくしているのではないか、本人にとっても、残された家族にとっても、という思い。

 

これが海外で行うほうが良いとする理由です。

 

日本でも安楽死を認めるべきと思う理由は、番組内で、日本では安楽死が認められていないため、遺骨を持ち帰ることができず、スイスで散骨するしかなかった、という点です。

 

この1点だけが何かすごく心に引っかかり、日本でも・・・と思う理由でございます。

 

ただ冷静になって考えると、私のように外国に馴染みのない人間が、安楽死を望むが故に、その為に外国でそれを受けよう、と思えるかといえば、なかなか決心がつかず、結果、家族の疲弊を招くことになるのであれば、日本でも行えるようにするべきだ、との思いが少し強いというのが今の考えです。

 

さぁ、皆さんは自分の最後を考えた時、どうしたいと思いますか?